2023年2月8日マーケット情報
①S&P500
まずは週足から見ていく
上の通り週足ベースでダウントレンドをブレイクして上昇しているように見える。
またMACDもモメンタムは上昇 100週移動平均を上にブレイクしている。
上のチャートに注目すると現在の位置は重要な局面である。4100~4200のラインは2021年5月2022年3月にはサポート、2022年5月と12月にはレジスタンスとして機能しているポイントである。
今回はトレンド自体が上向きに転換しておりもう一度4200レベルを試してブレイクできる可能性も大きいとは思うが逆にここで叩き落されると大きな下落トレンドの反発ととらえることもできる。
マーケット全体の振り返り
今までFRBは積極的な金融引き締めによりドラスティックな利上げを進めてきたが、ここにきて利上げペースを緩やかに減速させてきている。
基本的に金利と株価の関係は逆相関であるため、利上げが終了し利下げに踏み切れば株価は大きく上昇すると思われる。
しかし現在は利上げの終着点がある程度見えてはきたもののいまだ不透明な点が多くこの終着点の見通しにより株価が大きく動く要因となると思われる。
下に2023年5月3日FOMCでのマーケットの米国政策金利のコンセンサスを示す。
CME FedWatch Toolより引用
上のグラフの見方は市場参加者が23年5月のFOMCで政策金利の水準がどこに来るかを想定しているかを確認することができるツールです。
CME Fed Watch Toolを用いると約1年先までの政策金利の想定レンジを確認することができる。
このツールを用いてここから1年間先まで確認すると政策金利の上限を500-525bPを想定している市場参加者が多い。2024年1月のFOMCでの想定は以下の通り
CME FedWatch Toolより引用
上のグラフを確認するとボリュームゾーンが475-500bPとなっていることがわかる。
これより読み解くと市場参加者は現在の水準よりあと2回25bPの利上げを行いしばらくその水準を維持しその後今年の年末には利下げに転じるとの見方が優勢であるということである。
この金利の想定レンジについては現在の株価水準、債券利回りや各経済指標の発表、要人発言等により大きく動く。マーケットに注目していると基本的にここの分布が大きく動くときボラティリティが大きくなる。
特に上限の想定である500-525bPという部分が動いた場合大きな株価変動が起こることが想定される。
②米国債利回り
まず米国10年債利回りについて確認する。
上のチャートのように米国10年債利回りについては週足ベースで一度天井をつけ少し下がっている。現在の水準3.65%は現在の政策金利の想定レンジを考えるとここからさらに大きく上がるには別に何か大きな指標等が必要かと思われる。ここからさらに上がり今までの上限を突破するようなら株価は大きく調整する可能性が高いが、現在の状況を考えると雇用統計以外は米国ではあまり強い経済指標が出ておらず、FRBとしてもこれ以上の大きな引き締めは難しいのではないかと考えられる。そのため金利による株価の大きな下げは現在は私はあまり想定していない。