今回は2023年2月7日に発表された任天堂株式会社 23年3月期3Qの決算について分析を行う。
任天堂株式会社23年3月期3Q決算
今回の決算での主なサプライズは業績の下方修正である。
下に業績予想の修正を示す。
任天堂株式会社HPより引用
上記の通り親会社に帰属する当期純利益の予想については7.5%の下方修正になります。
修正理由に関しては販売状況や為替レートの前提を1ドル135円から1ドル125円へ変更したことによる減益が見込まれる様子。
またこれにより期末配当を109円から96円へ下方修正された。
この配当修正については任天堂株式会社の配当方針に基づいて変更されている。
任天堂株式会社の配当方針については通期連結営業利益の33%還元または連結配当性向50%のいずれか高いほうと示されておりこの基準に照らし合わせて計算しなおした金額の配当金へ修正が行われている。
2Q累計期間において為替差益を764億円を営業外収益として計上していたがここ数か月の為替レートの変動により3Q累計期間において為替差益が289億円となった。
以下にドル円の週足チャートを示す。
現在週足レベルでは一時反発しているもののMACDをみるとモメンタムはいまだ下落トレンドを示している。短期的には反発上昇が見込めるようにも見えるがちょうど現在の水準である130円~132円程度に以前のレジスタンス、サポートが構えており、ここをブレイクするには大き目な圧力が必要に見える。現在はこちらで解説した通り米国の政策金利も天井が見えつつある状況なので上昇余地よりも下落余地のほうが広いように感じるため任天堂の想定為替レート125円は少し弱気にも見えるが今の下落ペースなら到達もあり得る水準に見える。
決算説明資料より
ここからは決算説明資料を確認して分析する。
決算説明資料より任天堂株式会社の海外売上高比率は76.4%となっている。
3Q時点で売上総利益YoYは-5.0%これに対し販管費が+9.8%となっている。営業利益に関してはYoYで-13.1%となっている。ハードウェア販売数はYoYで-21.3%、ソフトウェア販売数についてもYoYで-4.0%となっている。
今後の発売ソフトについてはピクミン、ゼルダあたりが注目になると思われる。このあたりの売上がどの程度かというところが重要になると思われる。また為替レートについてもやはり海外売上高比率をみるとかなり大きなウエイトを占めると思わるので今後の為替レートについても任天堂想定の125円からどの程度上振れるか、下振れるかを確認しながら売買を行いたい。
また任天堂のハードは今まで5~7年程度で新作が出るという流れのためSwitchが2017年発売のことを考えるとそろそろ新作が発表されてもおかしくないころあいと思われる。このあたりも注視が必要であると思われる。
テクニカル分析
次に任天堂の株価についてテクニカル分析を行ってみる。
任天堂株の月足を下に示す。
このチャートの通り5000円を大きく割ることがあるとこちらのサポートを割ることになりかなり弱気に感じる。しかし逆にここをブレイクして下落するまでこの水準で買って損切前提でエントリーは悪くないように見える。
次に週足で見てみる。
週足で見ると損切ラインがより見えてくる。
前回もみ合って反発した4860円あたりがデッドラインに見える。この辺りまで買い下がりここで損切というプランが見える。
今日の東京株式市場では決算発表明けで前日比-7.52%となった。これはきれいに上の決算資料で示した通り親会社に帰属する当期純利益の予想の下方修正分ぴったり時価総額が下落したことになる。逆に言えばそこより下の価格帯では買いが入っている。
上のチャートは本日の5分足である。一度オープン直後下押ししているがそこから回復し少し下に戻して結果‐7.5%に落ち着いたことが見て取れる。初めの下落圧力が強く出来高が落ち着いたところから反発しているので決算が消化されて落ち着けば買いが入るようにも見える。ただ先ほど書いた通り4860円前後を切ったときはどこまで下押しするか見えないので大きめに買っている場合は損切が必要と思われる。