こんばんは。今回は変動為替相場制、固定為替相場制についてお話ししたいと思います。
変動為替相場制と固定為替相場制
まず固定為替相場制についてお話ししたいと思います。固定為替相場制とは例えば為替相場が変動するわけでなく、常に為替相場が固定されている状態で、例えば1ドル100円という形で決まっていたらどのような状況でもこのレートで取引が行われる制度のことです。また、為替レートが基準からある程度ずれることがあっても変動幅が限定されて基準通貨と連動する仕組みの通貨も広い意味では固定為替相場のくくりに入ってきます。この制度をペッグ制と言います。基軸通貨の米ドルと連動させる場合を特にドルペッグ制といいます。
この固定為替相場制のメリットは他の通貨と連動させることで自国通貨の安定を図ることができることです。特に為替相場に大きく変動があると輸出入に大きな問題が出てしまうのでこのあたりの安定を図るには良い制度といえるでしょう。
逆にデメリットとしては中央銀行が流入したり流出したりする資金をコントロールしにくくなる点にあります。低金利通貨から通貨が流出し、高金利通貨に流入します。そのためもしデフレが起こっていても他の通貨に合わせ金利を上げる必要が出てくるので、金利引き下げによるインフレへの誘導などの政策を行うことが難しくなります。
日本も昔は固定為替相場制を採用しており、1ドル360円で固定されていたこともありました。
次に変動為替相場制についてお話しします。
変動為替相場制とは
固定為替相場制と違い、市場の需要と供給の関係により為替レートが変動する仕組みのことです。現在では多くの国の通貨で変動為替相場制が採用されています。
変動為替相場制のメリットは貿易での格差を小さくすることができることです。
貿易黒字により通貨が買われ通貨高になります。その結果輸出での価格競争で不利になり輸出が減るので貿易の黒字が減るという仕組みです。これによりある国のみの貿易の力が強くなるということを防ぎやすい制度となります。
逆にデメリットとしては通貨が投機の対象となるため場合によっては為替レートの乱高下があり不安定な相場になることがあるということです。
今回は固定為替相場制と変動為替相場制についてお話しいたしました。